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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.39を解説、耐火性能が要求される伸縮目地にモルタル充填は不適当

けんせつる

けんせつる

耐火性能が要求される目地だったら、しっかりモルタルで埋めたほうがいいんじゃないの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、外壁ALCパネル工事の縦壁ロッキング構法に関する問題です。正解は選択肢4。伸縮目地はパネルの動きを逃がすためにある目地なので、モルタルで埋めると目地本来の機能が失われます。耐火性能が要求される箇所には、専用の耐火目地材を使う必要があるわけです。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、外壁ALCパネル工事の縦壁ロッキング構法に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢4

伸縮目地はパネルの熱膨張・収縮による動きを吸収するために設けるものです。モルタルを充填してしまうと目地が固まり、パネルが動けなくなります。耐火性能が求められる目地には、ロックウール等の専用の耐火目地材を使うのが正しい施工なんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) Rスペーサーはパネル幅方向中央部に設置する。定規アングルとパネル下面の間に設ける記述として適当
2 ○(正しい) 外壁パネルと間仕切パネルの取合い部の伸縮目地幅は10〜20mmが適当
3 ○(正しい) 外壁パネル間の横目地は伸縮目地とし、目地幅10mmは適当
4 ×(誤り) 耐火性能が要求される伸縮目地にモルタルを充填してはいけない。専用の耐火目地材を使用する

選択肢4の「モルタルを充填した」という記述が誤りで、耐火目地材(ロックウール等)を使用しなければなりません。

この問題のポイント

この問題では、ALCパネルの縦壁ロッキング構法における目地の役割を理解しているかが問われています。

ここで押さえるべきポイントは「伸縮目地は動きを逃がすための目地である」という基本的な考え方です。

ALCパネルは軽量で断熱性に優れた材料ですが、温度変化による伸縮が生じます。縦壁ロッキング構法ではパネルが揺れに対してロッキング(回転)することで地震力を吸収します。

この動きを前提とした構法であるため、目地を充填材で固めることは構法の設計思想に反します。耐火性能が要求されるからといってモルタルを詰めてしまうと、まさにこの機能が死んでしまうわけです。

選択肢1

外壁パネル下部に設けるRスペーサーは、定規アングルとパネル下面との間に挟む部材です。

パネル幅方向の中央部に設置することで、パネルが安定して荷重を伝達できるようにします。端部に設置すると偏荷重が生じるため、中央部への設置が正しい施工なんです。

選択肢2

外壁パネルと間仕切パネルの取合い部は伸縮目地とします。

目地幅は10mmから20mmの範囲で設けます。これは外壁パネルと間仕切パネルがそれぞれ別の動きをするため、その差を吸収する余裕を持たせる必要があるためです。例えば、建物の変形や温度変化によって両者が異なる動き方をしても目地幅の範囲内で吸収できるということです。

選択肢3

外壁パネル間の横目地は伸縮目地とします。目地幅は10mmが標準です。

横目地はパネル上下の取合い部であり、上下方向の伸縮と建物の層間変形を吸収する役割があります。この部分にも充填材を詰めてしまうと、ALCパネル工事全体の性能が損なわれますね。

選択肢4

これが誤りを含む選択肢です。「耐火性能が要求されるから、しっかりモルタルで埋めれば安心」という発想は間違いです。

伸縮目地にモルタルを充填すると、目地は固まってパネルの動きを拘束します。熱による膨張・収縮の繰り返しに追随できなくなり、パネルや接合部に亀裂が生じる原因になります。

耐火性能が要求される伸縮目地には、ロックウール等の耐火目地材を使用するのが正しい施工です。耐火目地材は柔軟性を保ちながら耐火性能を発揮するため、「モルタルを充填」という記述は明確に不適当です。

覚え方

ALCパネルの目地に関しては「目地の目的」から考えると整理しやすくなります。

伸縮目地は「動きを逃がすための隙間」です。隙間に何かを詰めたら隙間でなくなります。これが基本の考え方なんです。

伸縮目地 → 動きを逃がす → 充填NG → 耐火が必要なら耐火目地材という流れで記憶すると、モルタル充填という誤りに引っかかりにくくなります。

一問一答

Q.

外壁ALCパネルの縦壁ロッキング構法において、耐火性能が要求される伸縮目地にはモルタルを充填してよいか。

いけません。伸縮目地はパネルの動きを吸収するためのもので、モルタルを充填するとその機能が失われます。ロックウール等の専用の耐火目地材を使用します。

Q.

外壁パネルと間仕切パネルの取合い部に設ける伸縮目地の目地幅はどのくらいか。

10mmから20mmの範囲で設けます。それぞれのパネルが異なる動きをするための余裕を確保するためです。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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