けんせつる
外壁の張り石工事、ファスナー固定に使うアンカーの種類って正しく覚えていますか?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.33は、乾式工法による外壁の張り石工事に関する問題です。正解は選択肢3。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.33は、乾式工法による外壁の張り石工事に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 下地コンクリート面の寸法精度は±10mm以内が基準 |
| 2 | ○(正しい) | 石材の最大寸法は幅1,000mm・高さ800mm以下、重量70kg以下が基準 |
| 3 | ×(誤り) | ファスナー固定のあと施工アンカーは締付け方式ではなく接着系が必要 |
| 4 | ○(正しい) | だぼ穴充填材のはみ出しは、硬化確認後に除去する |
選択肢3の「締付け方式のあと施工アンカーを用いた」という記述が誤りで、正しくは接着系あと施工アンカーを使用する必要があります。
下地となるコンクリート面の寸法精度として、±10mm以内という数値が定められています。
乾式工法ではファスナー金物の取付け位置精度が石材の仕上がりに直結します。下地の不陸や狂いが大きいと、ファスナーの調整代を超えてしまい、石材の目地幅や面の揃いに影響するわけです。
±10mmという値は、JASS 19の規定に基づくものです。検定問題で数値ごと問われることも多いので、確認しておきましょう。
石材の寸法と重量の上限も、JASS 19で定められています。
外壁乾式張り石工事において、石材1枚の寸法は幅1,000mm・高さ800mm以下、重量は70kg以下が基準です。
例えば、花崗岩(御影石)は比重が約2.6です。幅1,000mm×高さ800mm×厚さ30mmだと、約62kgになります。70kg以内に収まる計算です。厚さが増すと70kgを超えるため、寸法と重量の両方を確認する必要があるわけです。
これが誤りを含む選択肢です。乾式工法の外壁張り石は、石材をファスナー金物で躯体に吊り支持する工法です。
石材は重量物であり、しかも外壁という常に風圧・振動・温度変化にさらされる過酷な環境に設置されます。
締付け方式(拡張型)のあと施工アンカーは、コンクリートに挿入したスリーブを拡張させて摩擦力で固定する仕組みです。振動や繰り返し荷重が加わると、この拡張部が徐々に緩みやすい性質があるわけです。
一方、接着系あと施工アンカーはエポキシ樹脂などの接着剤でアンカー筋をコンクリートに固着させます。コンクリートと一体化するため、振動や衝撃に対して長期にわたって安定した引抜き強度を発揮するんです。
「締付け方式のあと施工アンカーを用いた」という記述は誤りで、正しくは接着系あと施工アンカーを使用する必要があります。
現場の目線から
「締付け方式でもとりあえず固定できるのでは」と思いがちですが、外壁石材の脱落事故は実際に起きています。JASS 19(石工事)でも接着系が明記されており、締付け方式は外壁乾式張り石には使えないと押さえておく必要があります。
だぼ穴充填材は、石材同士をつなぐだぼピンをモルタルや樹脂で固定するときに使う材料です。
穴に充填すると多少はみ出ることがありますが、硬化前に除去しようとすると充填材を掻き乱してしまいます。
そのため、硬化を確認してから除去するという手順が正しいわけです。選択肢4はこの手順通りの記述なので、正しい内容です。
あと施工アンカーの種類と用途は、「どこに使うか」で整理するのが一番すっきりします。
外壁・脱落リスクあり → 接着系/内部・軽量物 → 締付け方式も可というように、リスクの大きさで使い分けると覚えやすくなります。
乾式工法による外壁の張り石工事で、ファスナー金物をコンクリート面に固定するあと施工アンカーの種類はどれが正しいか。
接着系(エポキシ樹脂系)あと施工アンカーです。締付け方式(拡張型)は振動・衝撃による緩みのリスクがあり、外壁石材には使用できません。
乾式工法による外壁張り石工事において、下地コンクリート面に求められる寸法精度はいくらか。
±10mm以内です。
乾式工法による外壁張り石工事において、石材1枚の重量の上限はいくらか。
70kg以下です。寸法は幅1,000mm・高さ800mm以下も合わせて覚えておきましょう。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
外壁乾式張り石工事のファスナー金物固定には、接着系(エポキシ樹脂系)あと施工アンカーが標準です。締付け方式(拡張型)のアンカーは振動や衝撃によって緩みが生じるリスクがあり、外壁石材の脱落事故につながる可能性があるため不適当なんです。