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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.27を解説、厚さ18cm以上の部材は強度5N/mm²だけでは湿潤養生を打ち切れない

けんせつる

けんせつる

強度が出れば養生を終えてもいい、と思いがちですが、JASS5はもう一つ条件を求めているんです。

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.27は、コンクリートの養生に関する問題です。正解は選択肢3。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.27は、コンクリートの養生に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢3

JASS5では、湿潤養生を打ち切る条件として「圧縮強度が5N/mm²以上に達した後、かつ平均気温が15℃以上の状態が続くこと」の両方が必要です。強度が5N/mm²に達しただけでは、湿潤養生を打ち切る根拠として不十分なわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 打込み後5日間の振動・衝撃による凝結・硬化阻害の防止養生は適切な管理
2 ○(正しい) 暑中コンクリートの湿潤養生開始はブリーディング水が消失した時点とする
3 ×(誤り) 強度5N/mm²のみでは打切り不可。平均気温15℃以上の継続も必要
4 ○(正しい) 露出面の初期養生として水密シートによる被覆は有効な方法

選択肢3の「圧縮強度が5N/mm²となったため以降の湿潤養生を打ち切った」という記述が誤りです。

この問題のポイント

この問題では、コンクリートの養生について「いつ打ち切れるか」「いつ始めるか」という時期の判断を正しく理解しているかが問われています。

問題文には「厚さ18cm以上のコンクリート部材」という条件がついていますが、問われているのは最低日数ではなく打切り条件です。条件の読み取りに注意が必要ですね。

選択肢1

コンクリートを打ち込んだ直後は、まだセメントと水の反応が始まったばかりで、凝結・硬化が進んでいる最中です。

この時期に振動や衝撃を加えると、生じかけた結晶構造が壊れてしまいます。打込み後5日間は振動などによる妨害が起きないよう養生するのは、正しい管理なんです。

例えば、近くで型枠解体作業や重機作業がある場合は、コンクリートへの振動伝達に注意する必要があります。

選択肢2

暑中コンクリートでは、気温が高いためコンクリート表面の水分が蒸発しやすく、初期ひび割れが発生しやすい状況です。

ここで混乱しやすいのが「いつから湿潤養生を始めるか」という点ですね。

コンクリート上面では、打込み直後はまだブリーディング水が表面に浮き上がっています。この状態で散水してしまうと、水セメント比が変化してしまいます。

ブリーディング水が消失した時点から湿潤養生を開始するのは、適切な判断なわけです。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。コンクリートの養生には、湿潤を保ち続けることで水和反応を確実に進める目的があります。

JASS5の規定では、湿潤養生を打ち切るには次の2つの条件をともに満たす必要があります。

一つ目は「コンクリートの圧縮強度が5N/mm²以上になること」。もう一つは「その後も平均気温が15℃以上の状態が続くと予想されること」です。

圧縮強度が5N/mm²となったため以降の湿潤養生を打ち切った」という記述は、片方の条件だけで打ち切っている点が誤りです。強度が出ていても寒い時期であれば養生は続けなければなりません。

なぜかというと、気温が低い状態では水和反応が停滞しやすく、早期に湿潤をやめると十分な強度発現が得られないリスクがあるからです。

現場での注意点

秋口や春先は日中と夜間の気温差が大きく、「昼間は15℃以上だから大丈夫」と判断しがちです。しかし夜間に15℃を下回る日が続くようなら、養生の打切りは慎重に判断すべきなわけです。

選択肢4

打込み後のコンクリート露出面に対して、水密シートで被覆する方法は初期養生として有効です。

水密シートを使うと、コンクリート内部の水分が外部に逃げるのを防ぎながら、同時に外部からの乾燥風の影響も遮断できます。

特にスラブ上面のような広い露出面では、散水養生と水密シート被覆を組み合わせることが多いわけです。

覚え方

湿潤養生を打ち切れる条件は、2つセットで覚えましょう。

強度5N/mm²以上 かつ 平均気温15℃以上の継続という2条件が揃わないと打切り不可、というイメージを持つと試験でも迷わなくなります。

「強度が出たから終わり」という片方だけの判断が誤りのパターンなわけです。

一問一答

Q.

JASS5において、湿潤養生を打ち切るために必要な2つの条件を答えよ。

①コンクリートの圧縮強度が5N/mm²以上に達すること、②その後も平均気温が15℃以上の状態が続くと予想されること、の両方が必要です。

Q.

暑中コンクリートの上面において、湿潤養生を開始するタイミングはいつか。

ブリーディング水が消失した時点です。ブリーディング水がある状態で散水すると水セメント比が変化するため、消失後から開始します。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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