けんせつる
アルミニウムの線膨張係数って、鋼の何倍だったっけ?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.13は、建築に用いられる金属材料に関する問題です。正解は選択肢4。アルミニウムの線膨張係数は鋼の約2倍であり、「4倍」とした記述が誤りです。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.13は、建築に用いられる金属材料に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 銅は熱伝導率・電気伝導率が大きく、湿気中で緑青を生じて耐食性が増す |
| 2 | ○(正しい) | 黄銅(真ちゅう)は銅と亜鉛の合金で、亜鉛が30〜40%のもの |
| 3 | ○(正しい) | 亜鉛は鉄よりイオン化傾向が大きいため、亜鉛めっきは鉄の犠牲陽極として機能する |
| 4 | ×(誤り) | アルミニウムの線膨張係数は鋼の約2倍(4倍は誤り) |
選択肢4の「約4倍」という記述が誤りで、正しくは鋼の約2倍です。
この問題では、代表的な建築用金属材料の性質をそれぞれ正しく理解しているかが問われています。
特に数値問題は「倍率を正確に覚えているか」で決まります。
アルミニウムと鋼の線膨張係数の比率は頻出の数値です。アルミニウム約23×10⁻⁶/℃、鋼約12×10⁻⁶/℃という具体値をセットで押さえておくと、迷わずに済むわけです。
もうひとつ注意が必要なのは、各選択肢の内容が「銅・黄銅・亜鉛・アルミニウム」と金属ごとに分かれている点ですね。混同しないよう整理して覚えることが大切です。
銅は、金属のなかでも際立って熱伝導率と電気伝導率が高い素材です。
熱伝導率は約400 W/(m·K)で、アルミニウムの約2倍、鉄の約8倍になります。これが給湯配管や電気配線に銅が使われる理由なんです。
湿気にさらされると表面に緑青(ろくしょう)が発生します。緑青は塩基性炭酸銅の一種で、緻密な保護皮膜を形成して内部の腐食を抑えます。例えば、寺社の銅板屋根が長年にわたって使われ続けているのはこの性質によるわけです。
黄銅(真ちゅう)は、銅に亜鉛を混ぜた合金です。亜鉛の含有量によって性質が変わります。
亜鉛が30〜40%のものが一般的な黄銅で、加工性が高く美しい金色の外観を持ちます。
建築では、水栓金具・ドアノブ・手すりの装飾部品などに使われています。なんとなく「金色の金属部品=真ちゅう」というイメージで覚えておくとよいでしょう。
イオン化傾向とは、金属がイオンになりやすい度合いのことです。イオン化傾向が大きいほど酸化されやすく、腐食しやすいわけです。
亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため、亜鉛と鉄が接触すると亜鉛が先に腐食します。これを犠牲陽極と呼びます。
つまり亜鉛めっきを施した鉄(いわゆるトタン)は、たとえめっきに傷がついて鉄が露出しても、周囲の亜鉛が先に溶け出すことで鉄を守り続けるということです。これがめっき材として亜鉛が選ばれる理由です。
ここが誤りを含む選択肢です。線膨張係数とは、温度が1℃上昇したときに長さが何分の1伸びるかを示す値です。
アルミニウムの線膨張係数は約23×10⁻⁶/℃、鋼は約12×10⁻⁶/℃です。
23÷12≒1.9、つまり約2倍です。「約4倍」とした記述は誤りということです。
この数値は現場でも重要で、アルミニウム製のカーテンウォールやサッシは熱膨張が大きいため、目地やジョイントに十分な変形追従性が求められます。
線膨張係数の比率は、数字の近さで混乱しがちです。
アルミニウムは約23、鋼は約12という具体値を先に頭に入れておくと計算で確かめられます。
アルミ23、鋼12、割り算すると約2倍という流れで確認する習慣をつけると、「2倍か4倍か」という迷いがなくなるわけです。
アルミニウムの線膨張係数は、鋼の何倍か。
約2倍です。アルミニウムは約23×10⁻⁶/℃、鋼は約12×10⁻⁶/℃です。
亜鉛めっきが鉄の防食に有効な理由を、イオン化傾向の観点から説明せよ。
亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため、亜鉛が先に腐食する犠牲陽極として機能し、鉄の腐食を防ぎます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
アルミニウムの線膨張係数は約23×10⁻⁶/℃、鋼は約12×10⁻⁶/℃で、比率は約2倍です。「4倍」という記述が誤りなんです。