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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.11を解説、山形ラーメン架構CD間の等分布荷重による支点反力の計算

けんせつる

けんせつる

等分布荷重が架構の一部にしかかかっていないとき、左右の支点反力って同じになるのかな。

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.11は、山形ラーメン架構のCD間に等分布荷重が作用したときの支点反力を求める問題です。正解は選択肢4(VB = +8kN)。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.11は、山形ラーメン架構の反力計算に関する問題です。

問題文と図は、建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、CD間に等分布荷重wが作用したときに支点AとBに生じる反力のうち、正しいものを選びます。

正解:選択肢4

VB = +8kNが正解です。等分布荷重が架構のCD間(右寄り)にのみ作用するため、モーメントのつり合いを使ってA点まわりの計算をすると、B点の鉛直反力が8kNになります。荷重の作用位置が架構の中央よりB側に偏っているほど、VBが大きくなるわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) HA = −6kN は誤り。水平反力の大きさ・符号は架構形状と荷重条件から正しく計算する必要がある
2 ×(誤り) HB = −3kN は誤り。B点がローラー支点(水平移動自由)の場合、水平反力は0になる
3 ×(誤り) VA = +1kN は誤り。モーメントのつり合いから求めると VA の値は異なる
4 ○(正しい) VB = +8kN は正しい。A点まわりのモーメントつり合いから算出される正解値

この問題のポイント

山形ラーメン架構とは、屋根部分が山形(三角形状)に傾いたラーメン構造のことです。工場や体育館など、大スパンの屋根をもつ建物によく使われます。

この問題では一端がピン(移動不可)、他端がローラー(鉛直方向のみ拘束)の組み合わせになっています。ピン支点は水平・鉛直の2方向に反力が生じ、ローラー支点は鉛直方向のみ反力が生じます。ここは混乱しやすいところですね。

反力を求めるには、ΣH = 0、ΣV = 0、ΣM = 0 の3つのつり合い式を立てます。未知数は最大3つ(HA、VA、VB)なので3式で解けます。等分布荷重は「合力に置き換えて計算する」のが基本手順です。

等分布荷重wが長さLの区間に作用するとき、合力W = w × L で、作用点はその区間の中央です。CD間の水平距離が4mで w = 3kN/m なら、合力W = 12kNがCD間の中点に作用します。なお符号は「右向き・上向きを+」と定義されています。

けんせつるのひとこと

「山形ラーメン架構」と聞くと難しそうですが、反力の計算手順は平たい梁と変わりません。架構が傾いていても、力のつり合いとモーメントのつり合いの3式を立てるだけなんです。焦って架構形状に引っ張られないようにしましょう。

選択肢1

選択肢1は「HA = −6kN」とする記述です。水平反力HAの大きさと符号は、架構形状と荷重条件から正しく計算する必要があります。

この問題では「右向き・上向きを+」と定義されています。符号定義に沿って計算すると、HA = −6kN は値が一致しないため誤りです。符号ルールを最初に確認してから解くのが確実ですね。

選択肢2

選択肢2は「HB = −3kN」とする記述です。B点がローラー支点の場合、水平反力HBは 0 になります。

ローラー支点は水平方向に移動が自由なので、水平反力は生じません。「HB = −3kN」はローラー支点の条件と矛盾するため誤りです。

選択肢3

選択肢3は「VA = +1kN」とする記述です。VBが求まったら、鉛直方向のつり合い式(ΣV = 0 → VA + VB = 合力W)を使ってVAを求めます。

VBが8kNとわかればVAも計算できますが、その値は +1kN にはなりません。モーメントのつり合いから求めるとVAの値が異なるため、選択肢3は誤りです。

選択肢4

これが正しい記述です。反力を求める定番の流れは「まずΣMA = 0でVBを求め、次にΣV = 0でVAを求め、最後にΣH = 0でHAを求める」という順番です。

A点まわりのモーメントつり合い(ΣMA = 0)は、VB × スパン長 = 合力W × 作用点のA点からの距離 となります。この式でVBを計算すると +8kN になります。符号の「+」は上向き反力であることを示しています。

等分布荷重がCD間(右寄り)にのみ作用するため、荷重の作用位置が架構の中央よりB側に偏っているほどVBが大きくなるわけです。

覚え方

反力計算のポイントは「モーメントを取る点に作用する未知の反力は式から消える」ということです。

A点まわりにモーメントを取ると、A点に作用するHAとVAは距離ゼロなので式に出てきません。残るVBだけを計算できるわけです。

A点まわりのΣM = 0 → VBが求まる → ΣV = 0 → VAが求まる → ΣH = 0 → HAが求まるという順番で機械的に解くと、どの架構形状でも同じ流れで解けます。

一問一答

Q.

等分布荷重の合力の大きさと作用点の位置はどう求めるか。

合力の大きさは「荷重強度w × 載荷区間長L」で求めます。作用点は載荷区間の中央になります。

Q.

ローラー支点に生じる反力の成分は何方向か。

鉛直方向のみ1成分です。水平方向には移動が自由なため、水平反力は生じません。ピン支点は水平・鉛直の2成分が生じます。

Q.

A点まわりのモーメントつり合いを最初に立てるメリットは何か。

A点に作用する複数の未知反力(HAとVA)が距離ゼロとなり式に出てこないため、VBだけを一発で求めることができます。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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