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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.10を解説、床スラブのたわみ制限はスパンの1/250ではなく1/300以下

けんせつる

けんせつる

床スラブのたわみ制限は、スパンの何分の一が正しいのでしょうか。1/250と1/300、どちらだと思いますか。

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、鉄筋コンクリート構造に関する問題です。正解は選択肢4。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、鉄筋コンクリート構造に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢4

JASS5では、クリープを考慮した床スラブの長期たわみの制限値はスパンの1/300以下です。「1/250以下」は制限が緩すぎる誤りの記述です。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 柱のせん断補強筋間隔は、柱上下端から最大径の1.5倍または最小径の2倍のいずれか大きいほうの範囲内を100mm以下とする
2 ○(正しい) 耐震壁のせん断補強筋比は直交する各方向それぞれ0.15%以上
3 ○(正しい) 梁貫通孔は梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/3以下とする
4 ×(誤り) 床スラブのたわみ制限はスパンの1/300以下(1/250は誤り)

選択肢4の「スパンの1/250以下」という記述が誤りです。正しい制限値はスパンの1/300以下です。

この問題のポイント

この問題では、鉄筋コンクリート構造の配筋ルールと部材の許容値を正しく覚えているかが問われています。

特に数値の規定は「似た値の引っかけ」が定番です。たわみ制限の1/300、孔径の1/3、補強筋比0.15%など、具体値をセットで押さえておくと迷わずに済むわけです。

選択肢1

柱のせん断補強筋(帯筋)の配筋ルールを問う選択肢です。ここは混乱しやすいところですね。

地震時に柱が大きな変形を受ける部位は、上下端の一定範囲内です。この範囲では帯筋を密に配置してコンクリートを拘束し、せん断破壊を防ぐ必要があります。

密配筋が必要な範囲は、柱の最大径の1.5倍または最小径の2倍のいずれか大きいほうです。この範囲内では間隔を100mm以下とします。これは正しい記述です。

選択肢2

耐震壁は地震力の大部分を受け持つ重要な構造要素です。

壁板のせん断補強筋(壁筋)は、縦方向と横方向の両方に配置し、それぞれの補強筋比を0.15%以上確保することが求められます。

補強筋比が不足すると、せん断ひび割れが生じたときに一気に破断するリスクがあります。この規定は耐震壁の粘り強さを確保するための最低限の要求なんです。

選択肢3

梁に設備配管などを通すための貫通孔に関するルールです。

梁の端部は曲げモーメントとせん断力が最も大きくなる部位です。この部位に貫通孔を設けると断面が欠損し、構造性能が著しく低下します。そのため、梁端部への配置は避ける必要があります。

また、孔径が大きすぎると梁の有効高さが大きく減少します。孔径は梁せいの1/3以下とする規定は、断面欠損を許容範囲内に抑えるためのものです。これも正しい記述です。

選択肢4

これが誤りを含む選択肢です。床スラブのたわみ制限値を整理します。

JASS5(日本建築学会 建築工事標準仕様書 鉄筋コンクリート工事)では、使用上の支障が起こらないことを計算で確かめる必要がある場合の床スラブたわみの最大値を、クリープを考慮してスパンの1/300以下と定めています。

ザックリ言えば、スパンが6mの床スラブなら、長期のたわみは最大でも20mm以下に抑えなければならないということです。

スパンの1/250以下」は1/300より大きい(つまり緩い制限)ので、設計上の安全側から外れた誤りです。正しくはスパンの1/300以下です。

けんせつるの一言

「1/250か1/300か」は数字が似ていて間違えやすい部分です。鉄骨梁のたわみ制限(スパンの1/300)と同じ値なので、「RCスラブも鉄骨梁もたわみは1/300」とセットで覚えてしまうと混乱が減ります。1/250は制限として緩すぎる、という感覚を持っておくと引っかかりにくいわけです。

覚え方

床スラブのたわみ制限の値は、「1/300」を基準に覚えましょう。

RC床スラブのたわみ → クリープ考慮 → スパンの1/300以下という組み合わせを確認問題で繰り返すことで、「1/250」という誤りの選択肢に惑わされにくくなります。

一問一答

Q.

JASS5で定める床スラブの長期たわみ(クリープ考慮)の最大値は、スパンの何分の一以下か。

スパンの1/300以下です。「1/250以下」は制限が緩すぎる誤りです。

Q.

柱のせん断補強筋を100mm以下に密配筋する範囲はどこか。

柱の上下端から「柱の最大径の1.5倍」または「最小径の2倍」のいずれか大きいほうの範囲内です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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