けんせつる
シリコーン系にシリコーンのテープを使ってもいいの?打継ぎ位置は交差部でいいんだっけ?
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.58は、シーリング工事に関する応用能力問題です。五肢のうち不適当なものを2つ選ぶ問いで、正解:選択肢1・5。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.58は、シーリング工事に関する応用能力問題です。五肢択二で「不適当なもの」を2つ選ぶ形式なんです。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
5つの記述のうち、不適当なものを2つ選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | シリコーン系にシリコーンコーティングテープは接着してしまい不適 |
| 2 | ○(正しい) | 先打ちポリサルファイド系の硬化後に変成シリコーン系を後打ち |
| 3 | ○(正しい) | 丸形バックアップ材は目地幅より20%大きい直径 |
| 4 | ○(正しい) | 目地幅20mmに対し目地深さは12mm |
| 5 | ×(誤り) | 打継ぎ位置は交差部・コーナーを避け、直線部に設ける |
選択肢1はシリコーン系にシリコーンコーティングされたテープを用いた点が誤りで、これでは接着してしまい絶縁の役目を果たしません。選択肢5は打継ぎ位置を目地の交差部とした点が誤りで、打継ぎは交差部やコーナーを避けて直線部に設けます。
この問題のテーマは、シーリング目地を正しく作るための材料選びと納まりなんです。
判断の軸は2つあります。1つは「材料どうしの相性(接着するかさせないか)」、もう1つは「目地の寸法と打継ぎ位置」です。
用語が多くて混ざりやすいので、1つずつ意味を確かめましょう。
これが誤りを含む選択肢の1つです。シリコーン系シーリング材を充填するために、シリコーンコーティングされたテープをボンドブレーカーに用いた、としています。
ボンドブレーカーは目地底とシーリング材を接着させず、三面接着を避けるためのテープです。二面接着・三面接着の考え方が根っこにあります。
ところがシリコーン系にシリコーンコーティングのテープを当てると、同じ系どうしで接着してしまい、絶縁になりません。ポリエチレン系テープなどを用いるのが正しく、この記述は誤りなんです。
選択肢2は、異種シーリング材を打ち継ぐ際、先打ちのポリサルファイド系の硬化後に変成シリコーン系を後打ちした内容です。
性質の違うシーリング材を重ねるときは、先に打ったものが固まってから次を打たないと、界面で不具合が出ます。
先打ちのポリサルファイド系を硬化させてから後打ちしているので、手順として適切です。正しい記述ですね。
選択肢3は、ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材を、目地幅より20%大きい直径とした内容です。
バックアップ材は目地の奥に詰めて、深さを調整しつつ三面接着を防ぐ部材です。少しきつめに入れないと、すき間ができて役目を果たしません。
丸形なら目地幅より20%ほど大きい直径を選び、軽く押し込んで装填します。正しい記述です。
選択肢4は、目地幅20mmに対して目地深さを12mmとした内容です。
動きのある目地では、シーリング材が伸び縮みに追従できるよう、深さを幅より浅めに保ちます。深すぎると変形に追従しにくくなるんです。
幅20mmに対し深さ12mmは、適切な比率に収まっています。正しい記述です。なんとなくイメージできましたか。
これが誤りを含むもう1つの選択肢です。シーリング材の充填を目地の交差部から始め、打継ぎ位置も交差部とした内容です。
充填を交差部から始めること自体は問題ありません。問題は打継ぎ位置です。
交差部やコーナーは応力が集中して動きが大きく、打継ぎを置くと切れやすくなります。打継ぎ位置は交差部やコーナーを避けて直線部に設けるのが正しく、この記述は誤りなんです。
ボンドブレーカーは「同じ系どうしは接着するから不可」。打継ぎ位置は交差部・コーナーを避けて直線部
選択肢1は「相性=くっつくと困る」、選択肢5は「打継ぎは動かない場所へ」と切り分けると迷いません。バックアップ材は20%大、幅20mmなら深さ12mmも合わせて押さえておきましょう。
シリコーン系シーリング材のボンドブレーカーに、シリコーンコーティングされたテープを使ってよいか。
使えません。同じ系どうしで接着してしまい絶縁にならないため、ポリエチレン系テープなどを用います。
シーリング材の打継ぎ位置は、目地のどこに設けるか。
交差部やコーナーを避け、直線部に設けます。交差部は動きが大きく切れやすいため不適です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1・5
ボンドブレーカーは「くっつかせない」ための部材なのに、シリコーン系の相手にシリコーンのテープを使うと逆にくっついてしまう、というのが一番危ない勘違いです。選択肢1はシリコーン系にシリコーンコーティングテープを用いた点、選択肢5は打継ぎ位置を目地の交差部とした点が誤りなんです。打継ぎは交差部やコーナーを避ける、と覚えておきましょう。