けんせつる
トルシア形高力ボルトの締付け、1日300本って多いの少ないの?
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.45は、鉄骨工事の所要工期算出に用いる各作業の能率に関する問題です。正解は選択肢4。トルシア形高力ボルトの締付け能率を1日300本とするのは過小な見積りです。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.45は、鉄骨工事の所要工期を算出するときに使う各作業の能率に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 現場溶接の能率を1人1日当たり溶接長さ80mとするのは妥当 |
| 2 | ○(正しい) | タワークレーンのクライミングに1回当たり1.5日は妥当 |
| 3 | ○(正しい) | 建方用機械の鉄骨建方作業占有率を60%とするのは妥当 |
| 4 | ×(誤り) | トルシア形高力ボルトの締付け能率は300本では過小、標準は1日約450本 |
選択肢4は締付け能率を1人1日当たり300本と見込んだ点が不適当で、トルシア形高力ボルトの標準は概ね450本程度です。
この問題では、鉄骨工事の各作業について「現場で使われている標準的な能率の数字」を覚えているかが問われています。
所要工期は「作業量÷1日当たりの能率」で求めます。能率の数字が実態とずれると、工期そのものがずれてしまうわけです。
ザックリ言えば、能率を低く見積もると工期は長く、高く見積もると工期は短く出る、ということです。ここでは1つだけ実態より低すぎる数字が混ざっています。
鉄骨のガスシールドアーク溶接による現場溶接の作業能率を、1人1日当たり溶接長さ80mとして計画した、という記述です。
現場溶接は工場溶接より条件が悪く能率は落ちますが、80m程度は一般的な事務所ビルで用いる標準的な見積りの範囲です。
例えば、柱や梁の継手をまとめて溶接していく現場では、この水準の能率で工程を組むことが多いんです。この記述は妥当ということになります。
タワークレーンのクライミング(フロアを追って上へせり上げる作業)に要する日数を、1回当たり1.5日として計画した、という記述です。
クライミングはクレーンを一時停止して行う段取り作業で、半日から数日かかります。1回1.5日は無理のない数字です。
この記述は妥当ということです。タワークレーンの段取りは工程に組み込んで管理しますね。
建方用機械の鉄骨建方作業占有率を60%として計画した、という記述です。
占有率とは、機械の稼働時間のうち実際の建方作業に充てられる割合のことです。残りは玉掛けや段取り、移動などに使われます。
建方では機械が建方以外の作業にも回されるため、60%程度は妥当な見積りです。この記述は問題ありません。鉄骨建方の段取りを思い浮かべると分かりやすいでしょう。
これが過小な見積りを含む選択肢です。トルシア形高力ボルトの締付け作業能率を、1人1日当たり300本として計画した、という記述です。
トルシア形高力ボルトは、専用の締付け機でピンテールがちぎれるまで一気に締める工法です。締付け確認も外観で素早くできるため、能率が高いんです。
その締付け能率は1人1日当たり概ね450本程度が標準とされます。300本では実態より低すぎて、工期を過大に見積もることになります。
つまり選択肢4の300本という数字が不適当で、正しくは概ね450本程度ということです。高力ボルトの締付けは能率がよい作業なんですね。
トルシア形高力ボルトは「機械で一気に締めて、ピンテールで締め忘れも一目で分かる」工法だと押さえておきます。
能率がよい工法なのに、本数を少なく見積もったら矛盾するわけです。
正解:選択肢4。トルシア形は能率がよい→1日約450本→300本は少なすぎ=不適当、という順番でつなぐと迷わなくなるでしょう。
トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は、1人1日当たり概ね何本程度を標準とするか。
概ね450本程度です。300本では過小な見積りになります。
建方用機械の鉄骨建方作業占有率とは何を表すか。
機械の稼働時間のうち、実際の鉄骨建方作業に充てられる割合のことです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
トルシア形高力ボルトは専用の締付け機でピンテールがちぎれるまで一気に締めるので、能率がよい工法なんです。締付け能率は1人1日当たり概ね450本程度を見込めるのに、選択肢4は300本と過小に見積もっているわけです。工期が実際より長く出てしまうので不適当ということになります。