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令和5年度 1級建築施工管理技士 No.39を解説、内装改修工事と防火認定の壁紙

けんせつる

けんせつる

防火認定の壁紙に張り替えるとき、古い壁紙の裏打紙って残していいんだっけ?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、内装改修工事に関する問題です。正解は選択肢3。防火認定の壁紙は既存壁紙を裏打紙ごと除去してから張らないと防火性能が担保されません。

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、内装改修工事に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。ただし既存部分はアスベストを含まないものとします。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢3

防火認定は「下地まで含めた組み合わせ」で取れているんです。古い壁紙の裏打紙を残して上から張ると、その紙が燃えやすい層になり、認定どおりの防火性能が出なくなる。残してはいけない、というのが核心ですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 既存下地モルタルの浮き撤去で、カッターの刃の出をモルタル厚さ以下とした
2 ○(正しい) 既存塗床に同じ塗床材を塗り重ねる際、接着性向上のため表面を目荒しした
3 ×(誤り) 防火認定の壁紙を、既存壁紙の裏打紙を残した上に張り付けた(裏打紙ごと除去が正しい)
4 ○(正しい) 既存下地面に残ったビニル床タイルの接着剤をディスクサンダーで除去した

選択肢3は、既存壁紙の裏打紙を残した上に防火認定の壁紙を張った点が誤りで、正しくは裏打紙ごと既存壁紙を除去してから張り付ける必要があります。

この問題のポイント

この問題では、改修で「古い層を残していいのか、除去すべきか」が問われています。

見るべきポイントは「その仕上げの性能が、何によって担保されているか」ということです。

防火認定は、表面の壁紙だけでなく下地との組み合わせで取られています。だから古い層を残すと、認定どおりの構成にならないわけです。

密着や仕上がりだけでなく、性能の根拠まで考えるのがこの問題ですね。

選択肢1

ビニル床シートの撤去後に既存下地モルタルの浮き部分を撤去する際、健全部分と縁を切るためのダイヤモンドカッターの刃の出を、モルタル厚さ以下としたという記述です。

刃を出しすぎると、下のコンクリート躯体まで切り込んでしまいます。

刃の出をモルタル厚さ以下に抑えれば、浮いたモルタルだけを切り離せます。躯体を傷めない妥当な配慮なので、正しいということです。

選択肢2

既存の合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねる際、接着性を高めるよう既存仕上げ材の表面を目荒ししたという記述です。

古い塗床の表面はツルツルで、そのまま塗り重ねても密着しにくいんです。

サンダー等で目荒しして細かい凹凸をつけると、新しい塗床がしっかり食いつきます。改修時の標準的な処理なので、正しいということです。

選択肢3

これが誤りを含む選択肢です。防火認定の壁紙の張替えで、既存壁紙の裏打紙を残した上に防火認定の壁紙を張り付けたという記述です。

壁紙の防火認定は、下地(石こうボード等)と壁紙を組み合わせた状態で性能が認められています。

既存壁紙の裏打紙を残すと、その紙が認定にない燃えやすい中間層になり、認定どおりの防火性能が担保されません。

そのため、壁紙の張替えでは既存壁紙を裏打紙ごと除去し、清掃した下地の上に張り付ける必要があります。正しくは裏打紙ごと既存壁紙を除去してから張るということです。

選択肢4

既存下地面に残ったビニル床タイルの接着剤を、ディスクサンダーを用いて除去したという記述です。

古い接着剤が残ったまま新しい仕上げを施工すると、密着不良や不陸の原因になります。

ディスクサンダーで残存接着剤を削り取り、下地を平滑にするのは適切な下地処理です。よってこの記述は正しいということです。

覚え方

防火認定の仕上げは、「認定された組み合わせのまま施工する」と覚えると間違えにくくなります。

下地と仕上げをセットで認定しているので、間に古い層を挟むと別物になる。だから既存壁紙は裏打紙ごと除去するわけです。

防火認定の壁紙=下地共の性能=既存壁紙は裏打紙ごと除去という順番でつなぐと、本番で迷わなくなるでしょう。

一問一答

Q.

防火認定の壁紙へ張り替えるとき、既存壁紙の裏打紙を残してよいか。

残してはいけません。防火認定は下地共の性能のため、既存壁紙を裏打紙ごと除去してから張り付けます。

Q.

既存下地モルタルの浮きを撤去する際、ダイヤモンドカッターの刃の出はどう設定するか。

躯体を傷めないよう、刃の出をモルタル厚さ以下とします。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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