ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 1級建築施工管理技士
  4. 令和5年
  5. > No.18 給排水設備

令和5年度 1級建築施工管理技士 No.18を解説、給排水設備と排水槽の勾配

けんせつる

けんせつる

排水槽の底の勾配って、横走り管と同じ1/100でいいんだっけ?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.18は、給排水設備に関する問題です。正解は選択肢4。排水槽の底の勾配は吸い込みピットに向かって1/15〜1/10とします。

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.18は、給排水設備に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢4

排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かって1/15〜1/10とします。汚物や沈殿物をピットに集めるため、横走り管よりも急な勾配が必要なわけです。選択肢4の「1/100」では緩すぎます。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 高置水槽方式は揚水後に重力で各所に給水する
2 ○(正しい) 圧力水槽方式は加圧した空気の圧力で給水する
3 ○(正しい) 横走り排水管(管径100mm)の最小勾配は1/100
4 ×(誤り) 排水槽の底の勾配は1/15〜1/10(1/100ではない)

選択肢4は「排水槽の底の勾配は吸い込みピットに向かって1/100」とした部分が誤りで、正しくは1/15〜1/10です。

この問題のポイント

この問題では、給水方式の仕組みと、排水の勾配の数値を区別できているかが問われています。

見るべきポイントは「横走り管の勾配と、排水槽の底の勾配を混同していないか」ということです。

1/100という数値が選択肢3にも出てくるので、4にも同じ数値を当てはめたくなるところですね。槽の底は汚物を集めるため、もっと急にすると押さえておきましょう。

選択肢1

高置水槽方式は、いったん受水槽にためた水をポンプで建物の高い所にある高置水槽へ汲み上げる方式です。

高置水槽からは、ポンプを使わず重力によって各階・各所に給水します。高い位置から落とす水圧を利用するわけです。

揚水後に重力で給水するという記述は正しいということです。

選択肢2

圧力水槽方式は、受水槽の水をポンプで圧力水槽に送り込む方式です。

圧力水槽の中の空気を加圧し、その空気の圧力で各所に給水します。空気をバネのように使って押し出すイメージです。

加圧した空気の圧力で給水するという記述は正しいということです。

選択肢3

屋内の自然流下式の横走り排水管には、最小勾配が定められています。

管径が100mmの場合、最小勾配は1/100です。水が自然に流れる程度の緩やかな勾配です。

例えば、太い管ほど勾配は緩くてよく、100mmで1/100というのは標準的な値です。この記述は正しいということです。

選択肢4

これが誤りを含む選択肢です。排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かって付けます。

このときの勾配は1/15〜1/10とします。横走り管の1/100よりもかなり急な勾配です。

なぜかというと、排水槽の底には汚物や沈殿物がたまりやすく、これを吸い込みピットへ確実に集めて排出するため、急な勾配が必要だからです。

したがって「吸い込みピットに向かって1/100」という記述は緩すぎて誤りで、正しくは排水槽の底の勾配は1/15〜1/10ということです。

覚え方

勾配は「横走り管はゆるく、排水槽の底は急」と対比で覚えると間違えにくくなります。

横走り管は1/100で流すだけですが、排水槽の底は汚物を集めるため1/15〜1/10と急にします。

横走り管=1/100(ゆるい) / 排水槽の底=1/15〜1/10(急)とつなげておくと、本番で数値を取り違えなくなるでしょう。

一問一答

Q.

排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かってどのくらいとするか。

1/15〜1/10とします。汚物を確実にピットへ集めるためです。

Q.

高置水槽方式は、高置水槽から各所へどのように給水するか。

ポンプを使わず重力によって給水します。

令和5年 1級建築施工管理技士 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

▼令和5年 1級建築施工管理技士▼

▼他の年度▼

▼他の試験▼

▼カテゴリ一覧▼

Topへ >>