けんせつる
ヒンジがある架構の曲げモーメント図って、どこを見れば正解の図を選べるんだろう?
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、ヒンジラーメン架構の曲げモーメント図を選ぶ問題です。正解は選択肢2。ヒンジ位置で曲げモーメントが0になることが見分けのカギです。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.10は、図に示すヒンジラーメン架構の点Dにモーメント荷重Mが作用したときの、正しい曲げモーメント図を選ぶ問題です。
問題文と図は、建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。図はここには転載しませんので、お手元のPDFと見比べながら読んでください。
この問題では、4つの図のうち、正しいものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | ヒンジ位置でモーメントが0になっていない |
| 2 | ○(正しい) | ヒンジ位置で0、点Dで段差、つり合いも成立 |
| 3 | ×(誤り) | モーメントの向き(引張側)が合わない |
| 4 | ×(誤り) | ヒンジ位置で0にならず、分布の形も合わない |
図問題は正しい図を選ぶ形式なので、正解は選択肢2の一つです。残りの3つはヒンジ位置の値か、モーメントの向き、分布の形のどこかが合いません。
この問題では、ヒンジ(ピン接合)の性質と、モーメント荷重がどう伝わるかを理解しているかが問われています。
見るべきポイントは「ヒンジの位置で曲げモーメントが0になっているか」ということです。
ヒンジは部材どうしを回転自由でつないでいる点です。回転を止める力、つまり曲げモーメントを伝えることができません。
なぜかというと、ヒンジは軸力やせん断力は伝えますが、回転は自由にしてしまうので、その点に曲げモーメントが残らないわけです。
ザックリ言えば、ヒンジの場所は曲げモーメント図がかならず0を通る、ということです。まずここで多くの選択肢をふるい落とせます。
選択肢1の図は、ヒンジの位置で曲げモーメントが0になっていません。
ヒンジでは曲げモーメントが伝わらないため、その点の値は必ず0でなければなりません。
ヒンジの位置に値が残っている図は、その時点でヒンジの基本性質に反するので候補から外れるということです。
選択肢2の図は、ヒンジの位置で曲げモーメントが0になっています。
さらに、モーメント荷重Mが作用する点Dでは、曲げモーメント図に段差(不連続)が生じます。集中したモーメント荷重がかかる点では、その大きさの分だけ図が飛ぶわけです。
支点反力からつり合いを追っていくと、各部材の曲げモーメントの大きさ・向きも矛盾しません。ヒンジで0、点Dで段差という二つの条件を同時に満たすのは選択肢2だけということです。
選択肢3の図は、ヒンジ位置の値はそれらしく見えても、曲げモーメントを描く向きが合っていません。
この問題では「曲げモーメントは材の引張側に描く」という条件が付いています。引張側がどちらかを取り違えると、図が反対側にふくらんでしまいます。
反力の向きから引張側を確かめると、選択肢3はモーメントの描く側が逆になっており、正しい図とはいえないということです。
選択肢4の図は、ヒンジの位置で曲げモーメントが0になっていないうえに、分布の形も実際のつり合いと合いません。
モーメント荷重だけが作用する場合、部材の途中に分布荷重はないので、各部材内の曲げモーメントは直線で変化します。
選択肢4はヒンジ条件とつり合いの両方を満たさないため、正しい図ではないということです。
図問題は、まず「ヒンジの位置で0になっているか」だけでふるいにかけると速いです。
つぎに「モーメント荷重の作用点で段差ができているか」「引張側に描けているか」を順に確認していきます。
ヒンジ=モーメント0 → 荷重点で段差 → 引張側に描くという順番でチェックすると、計算しなくても正しい図にたどり着けるでしょう。
ヒンジ(ピン接合)の位置で曲げモーメントはいくつになるか。
0になります。ヒンジは回転自由で曲げモーメントを伝えないためです。
集中モーメント荷重が作用する点では、曲げモーメント図はどうなるか。
その荷重の大きさの分だけ図に段差(不連続)が生じます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
見分けのカギはヒンジ(ピン接合)の位置です。ヒンジは曲げモーメントを伝えられないので、その点の曲げモーメントは必ず0になります。選択肢2だけがヒンジ位置で0になり、つり合いとも合っているわけです。