けんせつる
「スランプの許容差・養生日数・かぶり厚さ……数値を覚えるだけでなく、どの条件でその数値が使われるかを問われます。
問題を解きながら確認しましょう。」
この問題集について
コンクリート工事の頻出5テーマについて、オリジナル4択問題と詳細解説を掲載しています。問題を自分で考えてから解説を開いてください。
問題 1
スランプ試験・許容差
コンクリートのスランプ試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
正解:3
一度不合格となったコンクリートへの加水・再練りは禁止されています。水を加えると水セメント比が変わり、強度・耐久性が設計値を下回るためです。
JIS A 5308 によるスランプ許容差は、指定スランプ5cmで±1.5cm、8~18cmで±2.5cmです。指定スランプ12cmの合格範囲は9.5~14.5cmとなり、選択肢1は正しい記述です。
問題 2
湿潤養生期間
コンクリートの湿潤養生期間に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
正解:3
高炉セメントB種は水和反応が遅いため、普通ポルトランドセメントより養生日数を長くとる必要があります。日平均気温15℃以上のとき、普通セメントは5日以上ですが高炉B種は7日以上必要です。
早強ポルトランドセメントは水和が速いため3日以上(15℃以上の場合)と短くできます。日平均気温10~15℃未満のときは、普通セメントでも7日以上の養生が必要になります。
問題 3
かぶり厚さ
鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、最も不適当なものはどれか(建築基準法施行令第79条による)。
正解:4
建築基準法施行令第79条では、非耐力壁・床・屋根スラブの主筋のかぶり厚さは2cm以上と規定されています。3cm以上とされるのは耐力壁・柱・梁の主筋です。
かぶり厚さは「土に接するのかどうか」と「耐力壁か非耐力壁か」の2軸で判断します。直接土に接する部材は4cm以上、基礎は捨てコンクリートを除いて6cm以上というのはそのとおりです。
問題 4
打込み・締固め
コンクリートの打込み・締固めに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
正解:3
内部振動機はゆっくりと引き抜くのが正しい操作です。急激に引き抜くと引き抜き跡が空洞として残り、逆効果になります。
打重ね時間間隔は外気温25℃未満で150分以内、25℃以上で120分以内が目安です。この時間を超えると下層コンクリートが硬化しはじめ、コールドジョイントが発生するリスクがあります。
問題 5
受入検査
コンクリートの受入検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
正解:3
圧縮強度試験用の供試体は、打込み前または打込み中に採取します。「強度が発現してから」採取するものではありません。
採取した生コンを型枠(φ100×200mm または φ150×300mm)に詰め、28日間養生後に圧縮試験を実施します。
空気量の目標値4.5%・許容差±1.5%(JIS A 5308)、塩化物含有量0.30kg/m3以下(JASS 5)はいずれも正しい記述です。
数値まとめ
| 項目 | 数値・基準 | 根拠 |
|---|---|---|
| スランプ許容差(5cm指定) | ±1.5cm | JIS A 5308 |
| スランプ許容差(8~18cm指定) | ±2.5cm | JIS A 5308 |
| 湿潤養生(普通セメント・15℃以上) | 5日以上 | JASS 5 |
| 湿潤養生(高炉B種・15℃以上) | 7日以上 | JASS 5 |
| 湿潤養生(早強セメント・15℃以上) | 3日以上 | JASS 5 |
| かぶり厚さ(耐力壁・柱・梁) | 3cm以上 | 建基令第79条 |
| かぶり厚さ(非耐力壁・床・屋根) | 2cm以上 | 建基令第79条 |
| かぶり厚さ(直接土に接する部材) | 4cm以上 | 建基令第79条 |
| かぶり厚さ(基礎・捨てコン除く) | 6cm以上 | 建基令第79条 |
| バイブレータ挿入間隔 | 60cm以下 | JASS 5 |
| 打重ね時間間隔(25℃以上) | 120分以内 | JASS 5 |
| 空気量(普通コンクリート) | 4.5%(±1.5%) | JIS A 5308 |
| 塩化物含有量の上限 | 0.30kg/m3以下 | JASS 5 |
重要ポイント確認
指定スランプ12cmのコンクリートの合格範囲は?
9.5cm以上14.5cm以下(許容差±2.5cm)。
高炉セメントB種の湿潤養生期間が普通ポルトランドセメントより長い理由は?
水和反応が遅く、強度発現に時間がかかるため。日平均気温15℃以上の場合、普通セメントが5日以上のところ高炉B種は7日以上必要。
バイブレータを急激に引き抜いてはいけない理由は?
引き抜き跡が空洞として残り、ジャンカと同様の欠陥になるため。ゆっくり引き抜くことで穴が塞がる。
混同しやすい用語
参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
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管理人の一言
コンクリートの問題は「数値を知っているか」だけでなく「どの条件でその数値が変わるか」を問うものが多いです。
スランプ許容差なら指定値によって変わる、養生日数ならセメントの種類と外気温の組み合わせで変わる、という構造を意識して解くとミスが減ります。