けんせつる
工事で出た廃棄物を自分たちで運ぶとき、警察署長の許可が要るって本当?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.70は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に関する問題です。正解は選択肢3。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.70は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 事業者は工事に伴って発生した産業廃棄物を自ら処理しなければならない(排出事業者責任) |
| 2 | ○(正しい) | 多量排出事業者は産業廃棄物処理計画の実施状況を都道府県知事に報告しなければならない |
| 3 | ×(誤り) | 自ら運搬する場合に警察署長の許可は不要。廃棄物処理法は警察署長が管轄する法律ではない |
| 4 | ○(正しい) | 産業廃棄物の再生委託契約書には再生施設の所在地・再生方法・施設の能力の条項が必要 |
選択肢3の「当該事業場の区域を管轄する警察署長の許可を受けなければならない」という記述が誤りです。排出事業者が自ら運搬する場合は許可不要であり、廃棄物処理法の主管行政庁は警察署長ではありません。
この問題では、廃棄物処理法における「自ら処理」と「委託処理」の区別、および許可が必要になる条件を正確に理解しているかが問われています。
見るべきポイントは「誰が運搬するか」という点です。
ザックリ言えば、自分が出した廃棄物を自分で運ぶのなら許可はいらない、他人の廃棄物を請け負って運ぶなら許可が必要、ということです。
廃棄物処理法の基本原則として、排出事業者責任があります。
事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければならないと規定されています。工事に伴って発生した産業廃棄物は、その工事を発注した元請業者が排出事業者として処理責任を負うわけです。
これは正しい記述です。
多量排出事業者とは、前年度の産業廃棄物の発生量が一定基準(特別管理産業廃棄物は50t以上、その他の産業廃棄物は1,000t以上)を超える事業場を設置している事業者のことです。
多量排出事業者は、産業廃棄物処理計画および同計画の実施状況の報告書を都道府県知事(または政令市の長)に提出しなければなりません。これは正しい記述です。
これが誤りを含む選択肢です。2つの誤りが含まれています。
まず、排出事業者が自らの産業廃棄物を自ら運搬する場合は許可不要です。廃棄物処理法第14条の産業廃棄物収集運搬業の許可が必要なのは、他人の産業廃棄物の収集・運搬を業として行う場合です。
次に、廃棄物処理法の所管行政庁は都道府県知事や市町村長であり、警察署長は廃棄物処理に関する許可権限を持っていません。
「警察署長の許可を受けなければならない」という記述は、行政機関の名称からして誤りということです。
産業廃棄物の再生を委託する場合の委託契約書の記載事項は、廃棄物処理法施行令第6条の2に定められています。
再生委託の場合、委託契約書には再生施設の所在地、再生方法、再生に係る施設の能力についての条項を含めなければなりません。通常の処分委託に比べ、再生に関する追加事項が必要になるわけです。
これは正しい記述です。
廃棄物処理法の許可が誰に必要かは、「自分のものか他人のものか」で整理しましょう。
自分の事業から出た廃棄物を自ら運ぶ → 許可不要。他の事業者から廃棄物を受け取って運ぶ → 収集運搬業の許可が必要というわけです。
自ら運搬 = 許可不要。廃棄物処理法の主管は都道府県知事で、警察署長ではない。この2点を押さえておけば選択肢3の誤りがすぐわかります。
排出事業者が自らの産業廃棄物を自ら運搬する場合、廃棄物処理法上の許可は必要か。
不要です。産業廃棄物収集運搬業の許可が必要なのは、他人の産業廃棄物を受託して運搬する場合です。
多量排出事業者が産業廃棄物処理計画の実施状況を報告する相手は誰か。
都道府県知事(または政令市の長)です。警察署長ではありません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
廃棄物処理法において、排出事業者が自分で産業廃棄物を運搬する場合は許可不要です。収集運搬業の許可が必要になるのは、他人の廃棄物を受託して運搬する場合です。「警察署長の許可」という行政機関の名称も誤りで、廃棄物処理法は都道府県知事等が管轄する法律です。