けんせつる
防火認定の壁紙を張り替えるとき、既存の裏打紙はどうすればいい?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.40は、既存石綿含有建材を使用しない内装改修工事に関する問題です。正解は選択肢2。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.40は、内装改修工事に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | ビニル床シート下地の凹み部はポリマーセメントモルタルで補修するのは適切 |
| 2 | ×(誤り) | 裏打紙を全て撤去すると防火認定が無効になる。残した上に張るのが正しい |
| 3 | ○(正しい) | エフロレッセンスが見られる塗膜はディスクサンダーで全面除去するのは適切 |
| 4 | ○(正しい) | モルタル下地の塗床材は電動斫り器具で塗床材のみを除去するのは適切 |
選択肢2の「既存壁紙の裏打紙を全て撤去した後に防火認定の壁紙を張り付けた」という記述が誤りです。
防火認定壁紙の認定は、壁紙単体に対して与えられているわけではありません。
壁紙と裏打紙の組み合わせを含む施工条件のセットで認定を取得している場合があります。そのため、認定時の施工条件を変えると、防火性能が担保されなくなるわけです。
ザックリ言えば、「認定を取ったときと同じ条件で施工しないと、認定は有効にならない」ということです。
ビニル床シートを新規に張る場合、下地の平坦性が仕上がりに直結します。
既存床材撤去後に下地コンクリート面に凹みが生じた場合、ポリマーセメントモルタルの充填による補修は適切な方法です。ポリマーセメントモルタルは接着性・充填性が高く、薄層の補修に適しているわけです。
これが誤りを含む選択肢です。防火認定壁紙の張替えでは、既存の裏打紙を全て撤去してしまうと認定条件から外れます。
新しい壁紙がどれだけ立派な防火認定品であっても、下地が変わっていれば認定通りの性能は期待できません。「既存壁紙の裏打紙を全て撤去した後に防火認定の壁紙を張り付けた」という記述が、この問題で問われている部分です。裏打紙は残した上に新しい壁紙を張るのが正しい方法です。
けんせつるの一言
現場では「古い壁紙をきれいに剥がしてから張り直す」と思いがちですが、防火認定壁紙では裏打紙を残すことが大前提です。「全撤去してからきれいに仕上げた」では認定が無効になる、という認識のズレが実際に起きやすいところです。
モルタル下地の既存合成樹脂エマルションペイント塗膜にエフロレッセンスが見られる場合、ただ上塗りするだけでは塗膜の密着が得られません。
エフロレッセンスとは、コンクリートやモルタル内部の可溶性成分が水に溶けて表面に滲み出し、白く結晶化したものです。この成分が塗膜と下地の間に残っていると、浮き・剥離の原因になります。
ここは混乱しやすいところですね。エフロレッセンスが見られる場合は、ディスクサンダーで塗膜を全面除去してから再塗装する対応は正しい手順です。
モルタル下地の既存合成樹脂塗床材を撤去する場合、下地モルタルまで一緒に除去してしまうと後工程の補修が増えます。
電動斫り器具を用いて塗床材のみを除去するのは、下地モルタルへのダメージを最小限に抑えるための正しいアプローチです。例えば、スクレーパー式やグラインダー式の電動工具を使い、塗床材の層だけを削り取る作業が該当します。
防火認定壁紙の張替えで覚えるべき点は一つです。
防火認定は「壁紙+裏打紙+下地」の組み合わせで成立する。裏打紙を全撤去すると認定が無効になる。
「認定品を使えば何でもOK」ではなく、「認定を取得したときの施工条件を守ること」が前提になるわけです。
防火認定壁紙の張替えで既存の裏打紙を全て撤去してはいけない理由は何か。
防火認定は壁紙と裏打紙等の組み合わせで取得されている場合があり、裏打紙を全撤去すると認定時の下地条件が変わり、防火認定が無効になる可能性があるためです。
ビニル床シート張りの下地コンクリート面に生じた凹みの補修に適した材料は何か。
ポリマーセメントモルタルです。接着性・充填性に優れており、薄層補修に適しています。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
防火認定壁紙は、壁紙単体ではなく壁紙と裏打紙の組み合わせで防火認定を取得している場合があります。既存の裏打紙を全て撤去してしまうと、新しい防火認定壁紙を張っても下地条件が変わり、防火認定が無効になる可能性があるわけです。裏打紙は残した上に新しい壁紙を張るのが正しい方法です。