けんせつる
折板屋根のけらば包み、継手の重ね代は何mmか、すぐに答えられますか?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.34は、金属製折板葺き屋根工事に関する問題です。正解は選択肢1。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.34は、金属製折板葺き屋根工事に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | けらば包みの継手重ね代は60mm以上が基準(30mmは不足) |
| 2 | ○(正しい) | 水上の雨押えのエプロン取付け・壁際立上り150mmは正しい |
| 3 | ○(正しい) | 尾垂れの下底を15°程度折り下げるのは正しい |
| 4 | ○(正しい) | 重ね形折板の緊結ボルト間隔は流れ方向600mmが基準 |
選択肢1の「30mm重ね合わせて留めた」という記述が誤りです。正しくは60mm以上の重ね代が必要です。
これが誤りを含む選択肢です。けらばとは、切妻屋根の妻側の斜辺部分のことです。そのけらばを覆う板金部材がけらば包みで、折板屋根の端部を雨水や風から保護する役割を担っています。
けらば包みは長尺の板金を端から端まで1本でつなぐわけにはいかないため、複数枚を重ね合わせて施工します。この重ねた部分が継手です。
ここが混乱しやすいところですね。重ね代が少ないと、強風時や横殴りの雨のときに継手の隙間から雨水が入り込んでしまいます。
JASS 13では継手の重ね代を60mm以上と定めています。30mmではその半分しかなく、止水性を確保できないわけです。
ザックリ言えば、「けらば包みの継手は60mm重ねて初めて雨仕舞いが成立する」ということです。
現場の目線から
板金工事の重ね代は「60」という数字がよく出てきます。けらば包みに限らず、棟包みの継手なども同様です。「板金の継手は60mm以上」と丸ごと覚えておくと問題に対応しやすくなります。
水上部分の折板と壁の取合い部には、雨押えと呼ばれる部材を設置します。
雨押えの先端にはエプロン(前垂れ状の折り返し部)を取り付け、折板との隙間から入ろうとする雨水を導きます。
壁際の立上り寸法は150mmというのがJASS 13の基準です。これは毛細管現象や飛沫による雨水の遡りを防ぐために必要な高さなんです。
軒先の折板の先端部に設ける尾垂れは、雨水を軒先から確実に落下させるための部材です。
尾垂れの下底を15°程度折り下げることで、雨水が毛細管現象で折板の裏側に回り込むのを防ぐわけです。
折り下げ角度が浅すぎると雨水が裏面に流れやすくなり、折り下げすぎると外観を損ねます。15°程度というのは、機能と意匠のバランスを取った基準です。
重ね形折板は、隣り合う折板の山部を重ね合わせてボルトで緊結する工法です。
この緊結ボルトの間隔は、流れ方向(屋根の勾配方向)に対して600mm以内が基準です。間隔が広すぎると風圧力に対する抵抗が低下し、折板が浮き上がるリスクが生じます。
600mmという数値はJASS 13に規定されています。試験でそのまま問われることが多い数字なので、覚えておきましょう。
折板屋根の数値問題は、「何のための寸法か」と結びつけて覚えると忘れにくくなります。
けらば包み継手 → 60mm以上(雨仕舞い)/雨押え立上り → 150mm(遡り防止)/緊結ボルト → 600mm(風圧抵抗)という組み合わせで整理しておきましょう。
金属製折板葺き屋根工事において、けらば包みの継手に必要な重ね代はいくらか。
60mm以上です。30mmでは不足で、雨水浸入のリスクがあります。
水上部分の折板と壁の取合い部に設ける雨押えの、壁際における立上り寸法はいくらか。
150mmです。雨水の遡りを防ぐために必要な高さです。
重ね形折板の重ね部分の緊結ボルト間隔(流れ方向)はいくらか。
600mm以内です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1
JASS 13(金属工事)の規定では、けらば包みの継手の重ね代は60mm以上が基準です。「30mm重ね合わせた」という記述は基準の半分しかなく、雨水が浸入するリスクがあるため不適当なわけです。