けんせつる
つり足場の点検って、脚部の沈下を見るんだっけ?そもそも脚部あったかな…
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.53は、事業者・特定元方事業者の講ずべき措置に関する問題です。正解は選択肢2。つり足場には脚部がないため、脚部の沈下・滑動の点検は該当しません。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.53は、事業者または特定元方事業者の講ずべき措置に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、労働安全衛生法上、誤っているものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 特定元方事業者は協議組織を設置し会議を定期開催する |
| 2 | ×(誤り) | つり足場には脚部がないため脚部の沈下・滑動の点検は該当しない |
| 3 | ○(正しい) | 高さ2m以上で墜落のおそれがあるとき作業床を設ける |
| 4 | ○(正しい) | 特定元方事業者は作業場所の巡視を毎作業日に少なくとも1回行う |
選択肢2は、つり足場の作業開始前点検として脚部の沈下及び滑動を挙げた点が誤りで、つり足場には脚部がないため当てはまりません。
この問題では、足場の種類ごとに「作業開始前に何を点検するか」が変わることを理解しているかが問われています。
足場の点検項目は、その足場の構造に合わせて決まります。地面に脚を立てる足場と、上から吊り下げる足場では、見るべき場所が違うんです。
ザックリ言えば、脚を立てる足場は「脚元」、吊り下げる足場は「吊り元」を見る、ということです。つり足場の構造を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
特定元方事業者は、特定元方事業者およびすべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、会議を定期的に開催しなければならない、という記述です。
複数の会社が同じ現場で働くため、元方が協議組織をつくり、定期的に安全について話し合います。
これは特定元方事業者の講ずべき措置として正しいということです。
これが誤りを含む選択肢です。事業者は、つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、脚部の沈下及び滑動の状態について点検を行わなければならない、という記述です。
「脚部の沈下及び滑動」は、地面に脚を立てる脚立や通常の足場の点検項目なんです。脚元が沈んだりずれたりしないかを見るわけです。
ところがつり足場は、上から吊り下げて作業床を浮かせる足場で、そもそも脚部がありません。脚部の沈下・滑動を点検しようがないんです。
つり足場の作業開始前点検では、つり材であるワイヤロープやつりチェーン、作業床や手すりなどの状態を点検します。
つまり選択肢2は、つり足場に脚部の点検を当てはめた点が誤りということになります。
事業者は、高さが2m以上の箇所で作業を行う場合、作業に従事する労働者が墜落するおそれのあるときは、作業床を設けなければならない、という記述です。
高さ 2m以上 の墜落のおそれがある箇所では、作業床の設置が原則です。
これは事業者の講ずべき措置として正しいということです。
特定元方事業者は、作業場所の巡視を、毎作業日に少なくとも1回行わなければならない、という記述です。
元方は、現場全体の安全状態を毎日見回って確認する義務があります。
毎作業日に少なくとも1回の巡視は基準どおりで、この記述は正しいということです。
足場の点検は「脚を立てる足場=脚元/吊り下げる足場=吊り元」と構造で対応させます。
つり足場には脚がないので、脚部の沈下・滑動という言葉が出てきたら誤りだと気づけます。
正解:選択肢2。脚部の沈下・滑動=脚を立てる足場の点検→つり足場は脚部なし=当てはまらず誤り、という順番でつなぐと見抜けるでしょう。
つり足場には脚部の沈下・滑動の点検が当てはまるか。
当てはまりません。つり足場は吊り下げ式で脚部がないためです。つり材や作業床の状態を点検します。
特定元方事業者は作業場所の巡視を毎作業日に少なくとも何回行うか。
少なくとも1回です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
「脚部の沈下及び滑動」を点検するのは、地面に脚を立てる脚立・通常の足場の点検項目なんです。つり足場は上から吊り下げる足場で脚部がないので、この点検は当てはまらないわけです。つり足場の作業開始前点検は、つり材(ワイヤロープ等)や作業床の状態を見る、ここが核心ですね。