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令和5年度 1級建築施工管理技士 No.28を解説、大断面集成材とドリフトピンの下孔

けんせつる

けんせつる

ドリフトピンの下孔って、ピンより大きく開けるんだっけ、それとも同じ径だっけ?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、大断面集成材を用いた木造建築物に関する問題です。正解は選択肢2。ドリフトピンの下孔径は公称軸径に寸法を加えず、同径とします。

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、大断面集成材を用いた木造建築物に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

ドリフトピン接合は、ピンと孔をぴったり密着させて木材に力を伝える接合方法なんです。だから下孔(先孔)の径はドリフトピンの公称軸径と同径とします。隙間を作ると接合部がガタつき、本来の耐力が出なくなるわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 梁材の曲がりの許容誤差は長さの1/1,000程度とする
2 ×(誤り) ドリフトピンの下孔径は公称軸径と同径とする(径を加えない)
3 ○(正しい) ボルト孔の心ずれの許容誤差は±2mm程度とする
4 ○(正しい) ボルト孔は呼びM16未満で公称軸径+1mm、M16以上で+1.5mm

選択肢2は、ドリフトピンの下孔径に「公称軸径に寸法を加える」とした部分が誤りで、正しくは公称軸径と同径です。

この問題のポイント

この問題のポイントは、接合金物の種類によって孔の開け方が違うということです。

木造の接合では、ボルトとドリフトピンが出てきます。この2つは孔の考え方が正反対なんです。

ボルトはナットで締め付ける接合なので、ボルトが通るよう孔を少し大きめに開けます。ドリフトピンは打ち込んで密着させる接合なので、孔はピンと同じ径にします。

ここは混乱しやすいところですね。「締めるボルトは大きめ、打ち込むピンは同径」と整理しておきましょう。

選択肢1

梁材の曲がりの許容誤差を、長さの1/1,000とした記述です。

大断面集成材の梁は長尺になるため、製作時にわずかな反りや曲がりが生じます。これをどこまで許すかの基準です。

長さの1/1,000程度という値は、大断面集成材の標準的な許容誤差として扱われています。よってこの記述は妥当ということです。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢です。ドリフトピンを打ち込む下孔(先孔)の径についての記述ですね。

ドリフトピン接合は、集成材に開けた孔と接合金物の孔を合わせ、そこへ鋼製のピンを打ち込んで力を伝えます。

ピンと孔の間に隙間があると、荷重がかかったときにガタついてずれ、接合部が本来の耐力を発揮できません。

そのため下孔の径は、ピンを加えずドリフトピンの公称軸径と同径とします。問題文の「公称軸径に寸法を加えたもの」という記述が誤りということです。

例えば公称軸径16mmのピンなら、下孔も16mmで開け、ピンを打ち込んでぴったり密着させるわけです。

選択肢3

集成材に開ける標準的なボルト孔の心ずれの許容誤差についての記述です。

ボルト孔は複数並ぶことが多く、位置が大きくずれると金物が取り付かなくなります。

心ずれの許容誤差は±2mm程度とされており、この範囲内での管理は妥当です。よってこの記述は正しいということです。

選択肢4

接合金物に開けるボルト孔の大きさを、ねじの呼びで分けた記述です。

ボルトはナットで締め付けるため、ボルトが通るよう公称軸径より少し大きく開けます。

呼びがM16未満なら公称軸径+1mm、M16以上なら+1.5mmという値は、接合金物のボルト孔として標準的です。よってこの記述は正しいということです。

選択肢2のドリフトピンが同径だったのと比べると、ボルトは大きめに開けるという違いがはっきりしますね。

覚え方

孔の開け方は、「打ち込むか、締め付けるか」で整理すると間違えにくくなります。

ドリフトピンは打ち込んで密着させるので、孔は同径。ボルトはナットで締めるので、孔は大きめ。役割が違うから孔の作り方も違うわけです。

ドリフトピン=打ち込む=下孔は公称軸径と同径 / ボルト=締め付ける=孔は公称軸径+1〜1.5mmという順番でつなぐと、本番で迷わなくなるでしょう。

一問一答

Q.

集成材に開けるドリフトピンの下孔径は、どのように決めるか。

ドリフトピンの公称軸径と同径とします。ピンを打ち込んで密着させ、隙間によるガタつきを防ぐためです。

Q.

接合金物のボルト孔の大きさは、ねじの呼びでどう変わるか。

M16未満は公称軸径+1mm、M16以上は公称軸径+1.5mmとします。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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