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令和5年度 1級建築施工管理技士 No.23を解説、既製コンクリート杭の吊り点

けんせつる

けんせつる

杭を2点で吊るとき、端からどれくらいの位置で支えるんだっけ?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.23は、既製コンクリート杭の施工に関する問題です。正解は選択肢1。2点支持の吊り点を杭長の1/10とした点が誤りです。

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.23は、既製コンクリート杭の施工に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢1

杭を2点で吊り上げるときの支持点は、曲げモーメントが最も小さくなる両端から杭長の1/5(約0.2L)の位置です。選択肢1はこれを「1/10」としているため誤りというわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 2点支持の吊り点は両端から杭長の1/5(1/10は誤り)
2 ○(正しい) 杭の現場溶接継手は原則としてアーク溶接とする
3 ○(正しい) 継ぎ杭では接合中に下杭が動かないよう保持装置に固定する
4 ○(正しい) PHC杭の頭部切断後は350mm程度まで補強を行う必要がある

選択肢1は吊り点を「杭長の1/10」とした部分が誤りで、正しくは両端から杭長の1/5(約0.2L)の点を支持して吊り上げます。

この問題のポイント

この問題では、杭を2点で吊るときの支持位置の根拠を理解しているかが問われています。

見るべきポイントは「どこで吊れば杭にかかる曲げが一番小さくなるか」ということです。

杭は細長い棒なので、吊る位置がまずいと自重で大きくたわみ、曲げで割れる恐れがあります。

2点で吊るときに杭の中央と端の曲げモーメントが釣り合い、最小になる位置が両端から約0.2L(1/5)なんです。

選択肢1

これが誤りを含む選択肢です。2点支持の吊り点が問われています。

既製コンクリート杭を運搬・荷降ろしで2点支持して吊り上げるとき、支持点は両端から杭長の1/5(約0.2L)の位置とします。

この位置で吊ると、中央に生じる曲げモーメントと支持点に生じる曲げモーメントが釣り合い、杭にかかる曲げが最小になるからです。

問題文の「杭長の1/10」では支持点が端に寄りすぎ、中央のたわみが大きくなって誤りです。正しくは両端から杭長の1/5の点を支持するということです。

選択肢2

杭の現場溶接継手が問われています。

既製コンクリート杭を継ぐ現場溶接継手では、上杭と下杭の端板どうしを溶接で接合します。

この溶接は原則としてアーク溶接とします。確実な溶け込みが得られる方法で、この記述は正しいということです。鉄筋の継手と同じく継手の品質が問われる場面ですね。

選択肢3

継ぎ杭での下杭の保持が問われています。

下杭の上に上杭を建て込んで接合する間、下杭が動くと継手位置がずれてしまいます。

そのため接合中に下杭が動くことがないよう、保持装置に固定します。継手の精度を確保するための基本なので、この記述は正しいということです。

選択肢4

PHC杭の頭部切断後の補強が問われています。

PHC杭はあらかじめプレストレスを導入したコンクリート杭です。頭部を切断すると、切断面付近ではプレストレスが減少してしまいます。

切断面から350mm程度まではプレストレスが効かなくなるため、この範囲は補強を行う必要があります。この記述は正しいということです。

覚え方

杭の吊り点は、「2点なら端から1/5」で覚えると間違えにくくなります。

細長い杭を持ち上げると自重でたわむ、その曲げが一番小さくなる位置が0.2L、と理由から結びつけます。

2点支持の吊り点=両端から杭長の1/5(約0.2L)=曲げモーメント最小という順番でつなぐと、本番で迷わなくなるでしょう。

一問一答

Q.

既製コンクリート杭を2点で吊り上げるとき、支持点はどこにとるか。

両端から杭長の1/5(約0.2L)の点を支持します。曲げモーメントが最小になる位置です。

Q.

PHC杭の頭部を切断した場合、なぜ補強が必要か。

切断面から350mm程度まではプレストレスが減少するためです。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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